本会整備の庭園

靖國神社庭園整備報告

   靖國神社(東京都千代田区九段)の本殿西北部にある日本庭園は明治時代に作られた名園です。長らく荒廃していましたが、1999年に本会技術部会の手で 整備が行われ、粘土による古式工法等を用いて池を修理しました。その結果都内でも最も見事な庭園として蘇ったものです。特に当初のままの造形を見せる滝石組の豪華さは特筆されます。また花崗岩の切石橋は6.27mもあり直橋としては日本最大のものです。

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靖國神社庭園池泉中央部

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靖國神社滝石組


海蔵寺庭園整備報告

  広島市西区田方にある海蔵寺は、室町時代に創立された曹洞宗寺院ですが、江戸初期に現在の地に移されました。その時、建物と同時に作庭されたのが本庭です。当地の石材である平天の花崗岩を多用した興味深い石組が保存されており、原爆の被害をまぬがれた古庭園としてまことに貴重なものです。本会が1998年に整備調査を行い、その報告書も発行されています。またこの報告書によって、正しい寺史が解明されました。

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海蔵寺庭園全景

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書院から望む

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海蔵寺庭園滝付近詳細


阿波国分寺庭園整備報告

   阿波国分寺庭園(徳島市)は、当地独特の青石と、その板石を駆使した豪快な石組が特色で、桃山時代を代表する古庭園として2000年に国の名勝に指定されました。庭園の中に、江戸末期になって薬師堂(本堂)が建てられましたので、庭が分断されている感がありますが、鋭さのある多数の巨石石組は、日本庭園の素晴らしい造形力をよく示しています。本会が1993年に整備した庭園であり、その調査報告書も発行されています。なお近年、本庭を江戸末期作庭とする新説も出されておりますが、寺の経済状態を無視した説であり、とても認められません。

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国分寺庭園全景

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国分寺庭園築山石組



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