中國園林情報

「西溪環翠(せいけいかんすい)」の流觴曲水

蘇州城外の名所旧跡と言えば、まず第一に上げられるのが“ 江南第一塔” と称せられる「虎丘斜塔」のある虎丘山一帯であろう。塔を中心として数々の見所があり、一山をくまなく見学するには、どうしても半日は必要になる。
その中心にある斜塔は、正しくは「雲巌寺塔」と称し、禅寺に建立された八角七重磚塔で唐代末期建立の古塔である。この虎丘山西側に、近年蘇州市園林緑化管理局によって作庭されたのが今回紹介する「西溪環翠」である。
ここには珍しくも「流觴曲水」の流れが復元された。「流觴」の「觴( しょう) 」とは盃のことで、日本でも古く行われた盃流しの宴「曲水宴」の意味である。時々宴の体験も出来るらしく、流れの岸辺にクッションを置いて座し、盃が流れてくるまでに一編の詩を作るのである。ここからは虎丘塔も遠望されるので、蘇州訪問の際は是非この園にも足を延ばして頂くことをお勧めしたい。

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「西溪環翠」曲水の上流。赤いクッションに座す

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「西溪環翠」建物の彼方に虎丘塔を望む

掲載日:2020.09.04


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